イメージコンサルティング——というか、昨今「イメコン」としてSNS等で話題になっているもの——の診断をいくつか受けてしばらく経つ。
たぶん、イメコンとイメージコンサルティングは少し違うのだろう。イメコンはいまや、コンサルタントの手を借りて最適な自分を作るというよりは、タイプ分けして自分に似合うものを探す手段、という意味のことばとして独立している。だって「診断」するものになっているし。
私の受けた結果は下記のとおりだ。
- 骨格診断:ナチュラル
- 顔タイプ診断:クールカジュアル
- パーソナルカラー:いわゆる4分割の診断ではサマー。16分割では1stクリアウィンター、2ndブライトサマー
- パーソナルデザイン:1stナチュラル、2ndファッショナブル
もともとファッションが好きかというとそうでもない。化粧もあまり楽しくない。なぜこれらのイメコンを受けたかというと、どちらかというと変身願望の方が理由に近い。ずっと、テレビで見る変身企画のように、プロの手にかかったら私も素敵になるのでは?と思っていた。結果、濃い化粧は似合わないし、似合う服装も今までの延長線上にあるし、変身というほど劇的な変化は起こしようがなかった。
ではイメコン前後で何が変わったかというと、ベターを選びやすくなった、というのがとにかく大きい。
似合うために必要なポイント、どのくらいならベストから外れてもベターになるのか、びっくりするほど似合わないものは何か。これらを知ることによって圧倒的に服が選びやすくなった。
そもそも、毎日ベストな格好をしたいわけではない。今の流行からすると比較的それをしやすいタイプではあるが、かといってベストのワンパターンだけを着たいわけでもない。
たとえば、シャツはスタンダードカラーが一番似合うが、今年流行っているバンドカラーも着たい。ちょっと生真面目そうな印象になるが似合わない服ではない、ということを判断できるようになったのがイメコンの成果だ。少しオーバーサイズで、ボタンを二つ開けて腕まくりすれば、かなり似合うようになる(というか腕まくりは大半の問題を解決してくれる)。
一方で、「女らしい」または「女の子らしい」と形容される服装は似合わない。そもそも、ありがたいことに、私はそれらを着たかったわけではない。ただ「イメコン前」は、年齢とともに求められているような気がして、顔タイプでいえばソフトエレガント的な、パーソナルデザインでいえばフェミニン寄りな、そういった服装に近づいていた。それはワーストではなくとも、ベターでも、もちろんベストでもないことを知った。今は思う存分個性を活かした、というか個性に合った服装をしている。たまたま、私の内面もこちらに合っている。
たとえ上記の"スペック"が全て同じであっても、同じものが似合うわけではない。「イメコン」がイメージコンサルティングから乖離した面があっても、個々人に帰結することには変わりない。
単純に似合うものの違いでも、性格の違いでも好みの違いでも、生活の違いでも扱いは変わる。
たとえば、私はパーソナルカラーはほとんど気にしていないが、単にもともと「彩度の高すぎない明るい寒色」が好きで、意識しなくても選んでいるからだ(なお私の場合、クリアウィンターも似合うサマーという括りがしっくりくる。サマーの濁色の方が、ウィンターのほかの色より似合うからだ。同じタイプに分類されてもこうでない人は多いと思う)。
ベターでなくベストで毎日過ごしたい人もいるだろう。その場合はきっともっと突き詰めていかないと難しいのだろうけれど、私にとっては、恐々服を選んでいたところからベターな選択肢を絞れるところまできただけで、かなり楽になったし、満足している。むしろファッションとの距離がほどほどの人の方が、イメコンを受けると生きやすいのかもしれない。