独り身だけど家がほしい vol.1

なにやらvol.0が思いがけず大勢に見ていただいていて、ちょっと腰が引けている。ありがとうございます。でもあの、お得な情報とか向上心を奮い起こすような何かとかはありませんので、ご承知おきいただいて……。

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さて、「何でまた家を建てようなんて気になったの?」の回といきましょう。

2021年度末から2022年度の私はとーーってもがんばっていた。職場で50年ぶりという大きなプロジェクトが動き出した矢先に上司がトンズラしなさって、7ヶ月にわたり人員補填がなかったからである。

※念のため言うと、休職する人を責めるつもりは毛頭ない。私も休学を経験した。ただこの上司の場合、それまでの所業が最悪だったのだ。

私の職場には本社のほか県内に複数の支社があり、ぐるぐる異動して回るようになっている。とはいえご家庭の事情で異動が難しいというのはよくある話で、独り身の私は、駒として身軽でいようと思っていた。

が、上記の出来事を経て考えが変わった。今私のいる支社は私の生まれ故郷にあるのだが、これが全ての支社の中で一番の僻地にあり、だぁれも来てくれないのである。のちに来てくれた上司さえ「対岸の火事だと思っていた」と言うほど他人事なのだ。自分の危機に増援が見込めないのに、他人のピンチに備えている場合ではない。一応本社のある地域には通えないこともないので(実際、7ヶ月後に赴任してきた上記の上司は高速道路を片道1時間運転して通勤している)異動も少しならできるし、私が定住すれば、もし今後地元でピンチに陥る人がいたときには駆けつけられるのである。

人事権を握る当時の課長にはちくちくちくちく言われたけれど、味方ではないとわかった以上、知ったことではないのでね。

 

ところで、私の住む田舎の価値観からすると、ある程度の歳になれば家を持つのが当然である。農耕民族の血が定住しろと騒ぐ……のかはわからないけれど、それが二世帯同居であれ核家族であれ、家を建てるのが「普通」と思って育ってきた。

その中でも私は、家を建てることへの憧れが強い方だったと思う。中高それぞれ、家庭科の時間に理想のお家の図面を描いてみよう!という回があり、うきうきで描いたのだが、当時の同級生たちは授業の記憶もないらしい。

思えば高校生のころから、欲しいものは?と聞かれたら「……家?」と答えるようになった。他人からもらいたいものではないのだが、適切な返答を選ぶことがどうにも難しくて。

それはさておき、成長する間に「自分はどうやら他人と暮らすのは無理」と理解した私は、途中で理想の自宅を建てる希望を捨てたはずだった。家は家庭と結びついていて、つまり1人では持てないと思っていた。

でもさ、そんなわけないじゃん?

というわけで家を建てることにした。

 

一応、選択肢としてはほかも考えた。

  • マンション→そもそも田舎に分譲マンションが存在しない。
    たぶんえ?と思う方もあるかもしれないけれど、上記のとおり、一定の年頃になったら一軒家を持つのが普通なのだから需要がないのだ。その当時検索をかけて一番近いのが、1時間かかる中古リゾートマンションだったはず。
  • 中古住宅のリフォームorリノベーション→維持していく自信がない。
    市内に、丸窓のある中古の平屋があってちょっと惹かれたのだが、そうはいってもあまりにもぼろぼろで。今後私が一人で手を入れながら住んでいくというのはちょっと想像できなかった。あと40年住むと考えたら、せめて今新しくないと厳しそう。自分の特性とか能力とかを考えると向いていないなとあきらめた。
    あと単純に、ちょうど良い場所とちょうど良い大きさの中古住宅はなかなかない。そんな、300坪蔵付きとか、田んぼ付きとか、5SSLDDKKとか、独り身には持て余す。

そんなこんなで、一軒家を建てることを決意した次第。