横浜洋館めぐりアルバム

9月29日に行われたゆずのKアリーナ杮落とし公演に行ってきた。そしてその翌日は大学時代の友人と山手の洋館めぐりをしてきたので、その2日間に撮った写真をざっとまとめておこうと思う。よろしければお付き合いください。ただのスマホ写真なので、クオリティーはお求めなきよう……。

 

1日目: 馬車道〜みなとみらい周辺

神奈川県立歴史博物館

神奈川県立歴史博物館裏
馬車道の神奈川県立歴史博物館(の裏手)。横浜のこういう、古い建物といかにも近代的な建物の接している景色が見ていて楽しい。

16:32の観覧車

横浜グランドインターコンチネンタルホテル
いかにも横浜らしいとつい写真に収めてしまう、おのぼりさんなので。

 

2日目: 山手の洋館

石川町駅から登って、ブラフ1番館から出発。

3色のペンダントライト
このペンダントライトがかわいいのがきっかけで、友人と2人してひたすら照明を撮る日になってしまった。

カーテンの吊り方がかわいいベッドルーム

赤毛のアンを思い出す外観

ここから外交官の家。ぎりぎり9月だったので、洋館ながらあちこちお月見仕様でした。
マントルピースのお月見セット

どっしりした内装

サンルームにもススキ

家紋入りガラス扉
家紋入りのガラス扉が「日本の洋館」らしくて好き。

庭園から見た外交官の家

友人お気に入りのカフェで
このあたりでひと休みして昼食とデザート。

カトリック山手教会
カトリック山手教会。教会があったり私立女子校があったり、田舎育ちの私にとってはちょっとした異文化の感。このあたりから雲が少なくなってきた。

時間の都合で山手公園は飛ばし、元町公園方面へ。

パーム・ルームのライオンの壁泉
ベーリック・ホールのアイコン、ライオンの壁泉。結局パーム・ルームとはどういう部屋なのか、調べてもベーリック・ホールしか出てこないんだよな……。

ベーリック・ホール2階の窓
この窓のかわいさ!

現役のレトロ公衆電話
これはエリスマン邸かな。現役で使える公衆電話。

お花のような天井灯
天井灯もかわいい。

エリスマン邸の鮮やかな鎧戸
鮮やかなグリーンが白い外壁に映える。

山手234番館
山手234番館の2階ではおじさま方が写真展をしていた。こういう建物が公民館的な利用のされ方をしているのが新鮮。

港の見える丘公園からの景色
港の見える丘公園で海を眺めていたら
たぶんガンダム像
遠〜〜くにガンダムが。

横浜市イギリス館の円窓
横浜市イギリス館の円窓。丸い窓は洋とも中とも和とも感じられる不思議。

階段とシャンデリア
こちらもコンサートイベントに使用されていた。

 

お土産

今回はお土産選びが大の苦手な私には珍しく、自分にもかわいいお土産を買えたので大満足です。

お土産
えの木ていのジュエリークッキーと、近沢レース店の横浜限定デザインのハンカチ。ヨット柄のレースにときめいた。

 

まだまだ暑い中で(まさか一週間後には寒い寒いと言うとは思いもしなかった)両日とも19,000歩以上歩き回ったけれど、疲労以上の充足感が得られて大満足でした。

お出かけ苦手勢の酷暑東京旅行記②:新作歌舞伎刀剣乱舞と東京のはなし

①ではしぶしぶお出かけした様子と真夏の着物装備について書いたので、②ではお出かけの内容と感想をつらつら……というよりはたらたらと書き綴っていきたい。

 

国立新美術館「テート美術館展 光」

ごく正直に言うと
歌舞伎の前に時間があるからどこか出かけようかな→でも着物だしなるべく外歩きたくないな→国立新美術館、駅直結だ!
というだけで行った。

Stardust particle
The British Channel Seen from the Dorsetshire Cliffs

あまり美術に造詣はないので、綺麗だなとふわっと感じる絵が好きだ。そんな調子で展示内容の良し悪しを語るのはおこがましいので、ただ好きな絵が多かった、とだけ言っておこうと思う。空とか海の絵が好きだし、光が差し込む様子も好きだし、透ける感じ、透明感が好きだ。眼福だった。

 

新橋演舞場「新作歌舞伎刀剣乱舞『月刀剣縁桐』」

記憶違いや用語の間違いがあってもご容赦ください。

今回の旅行の目的。

まず歌舞伎座に向かった。銀座といっても思ったほど和装の人は少ないんだなと思っていたが、歌舞伎座付近にくるとさすがに和装が増えてくる。じろじろ見てしまって申し訳ない。

お土産に歌舞伎揚を買ってから新橋演舞場に向かう。歌舞伎座まわりに比べて少し若いお嬢さんが増えてきた。ずらっと長い列ができている。その間を抜けて予約済みだったイヤホンガイドを受け取り(これはとてもスムーズ)、最後尾に並んで開場を待つ。
座席は2階左最後列。壁一枚後ろで、歌舞伎に登場する刀の展示が行われていた。花道は全く見えない。モニターはあったが、始まってみると光で飛んでしまってあまりよく見えないということがわかる。
座席はあまり広くなく、歌舞伎揚を2箱買っていなくてよかったなと思う。左側に4席も空きが並んでいたが、始まってから3席埋まった。

イヤホンガイドを聴きながらだからか、席の問題か、幕が開く前に押彦さん、武彦さんが客席に降りてくださっても残念ながらマイクなしではほぼ聞き取れず。何おっしゃってたんだろうな。

歌舞伎を観るのは初めてで、伝統芸能ということで気後れしていた面はあった。実際に観てみると、江戸のエンターテイメントなんだなと腑に落ちた。現代人には少し言葉が難しくても、ストーリーも演出も、エンタメだった。なんなら、ストーリーはほかの2.5次元よりわかりやすい。
だってこれまでに、刀剣乱舞であんなふうに恋愛を見せてくれたメディアミックスあったか?*1あれは男性役者が女性も演じる歌舞伎ならではだったのではないか。そして同時にあの恋愛要素の使い方は、エンタメのお約束として足した、だった。
それに親子の愛や武士の精神、どれも江戸の庶民のみんな、好きでしょ?という要素。
さらには回転する舞台や階段状の装置の上でのアクロバティックな殺陣。ドキドキ!ワクワク!盛りだくさん!庶民のお楽しみ!!間違いなく、歌舞伎に(勝手に)感じていたハードルは下がった。今後興味のある演目があったらまたチャレンジしてみようかなと思うので、今回の演目でそういう層を一人増やすことに成功している。

座席も、正面や花道が見えないという残念さはあったものの、本当はあまり見えないはずの裏側の様子が見えたり、俯瞰できておもしろかった。あと実は、開演前や幕間にほかの観客のみなさんを見るのも楽しかった。とはいえやっぱりちゃんと見せ場が見たいので、千秋楽配信は買おうかなという気持ち。*2……本当は、配信なんてないだろうから、と現地のチケットを入手したというところはあったのだけど、歌舞伎っていつも配信があるのかしら。

演目中は、小烏丸の妖艶さに目を引かれた。紅梅姫(仕方ないのだけれど後半に出番がなくて寂しい)といい、女形の方の色気よ……。*3
あと松永弾正役の中村梅玉さんの、さすがの貫禄。実は出番はそれほど多くなかったのに、あの存在感の大きさ。

それから、琵琶の奏者が女性の方で、かっこよかったな。ほかの場面の唄でもこの女性の声だからこその雰囲気もあって、これは現代の歌舞伎だからこそなんだろうと思いながら味わった。

今でこそ光の演出があったりワイヤーアクションがあったり、あとはマイクなんかもあるわけだけれど、かつての歌舞伎はどんな感じだったのだろうな。突然花道にせり上がってきた異界の者はどう見えたのだろう。

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刀剣博物館「日本刀 記録の系譜 -記録の歴史と記録されたモノたち- 」

最終日、せっかくなら帰る前にもう一ヶ所行きたいと話したところ、彼(今回同行していない)におすすめされたので。特に審神者ではないのだけれど、過去に2度ほど行ったよ、とのこと。

見事に晴れ渡って、予想最高気温は36℃。電車は隅田川の上を走った。両国国技館前を通り過ぎ、江戸東京博物館も改修が済んだら行きたいなと思いながら旧安田庭園へ。横綱1丁目かと思ったら横網1丁目だった。

池の向こうにスカイツリーが見えた。押上のあたり、ほぼ海抜0mだそうで、普段はあのてっぺんかその上で暮らしているんだなと眺めた。

skytree

刀剣博物館は海外からのお客さんが多くて驚いた。みんなじっくりとケースの中を覗き込んでいる。

Sukehiro

展示は刀剣の記録についてで、押形をあんなにたくさん、じっくり見たのは初めてだった。今でも写真より刃文がわかりやすいから押形の技法も使われるのだとか。写真やレーザー等、現代の技術とそれぞれの特徴から使い分けながら、少しでも詳しい記録を残そうという情熱がすごい。

個人的には手描きの刀剣の断面の組織図が興味深かった。

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東京のこと

大学時代は東京に住んでいた。それも新宿区内に。そこであまり良い思い出がないことによるものか、東京がどうにも苦手だ。

東京は自由で、無関心で、ときどき優しく、怖い街だと思っている。

東京の良いところは、少し待てば電車が来て、簡単に美術館にも博物館にも行けて、伝統芸能もすぐ見ることができる、そういう選択肢の多いところ。怖いところのひとつは、動かずにそういうものに出会わずに、ほかの何にも触れずに、すり減っていくのも簡単なところ。

お出かけへの苦手意識が強いので、つい「いかに早く家へ帰れるか」という気分で、無理にでも日帰りしたこともあったけれど、少し滞在時間を延ばしてあちこち行ってみるのはいいなと思った。

とはいえ、やはり東京は住むより遊びに行くところだ。暑いし。田舎に帰って21℃の夜風を浴びて、やっと息ができた気がした。

ginza

*1:全部追えているわけではないので把握していないかもしれない。

*2:下書きしてから公開するまでに購入しました。千秋楽は7月27日です。

*3:小烏丸はもちろん男士だが、河合雪之丞さんが女形を多く演じられている。旧芸名が市川春猿さんと知って、あああの方か!となった。

お出かけ苦手勢の酷暑東京旅行記①:到着までと着物のはなし

まあ家から出ないのだ。

お出かけ体力が全くなく、土日の二日間で宿泊しての遠出なんて、翌月曜日が休みでない限りできない。家から離れる距離×時間に比例して疲弊する。さらに同行者がいれば×人数である(変数が多すぎる)。そんな人間が酷暑の東京に二泊三日で出かけ、なおかつ着物を着たときの記録となる。自分用の備忘録の面が強いので人の役には立たないと思いつつ、「それほど着慣れていない人が真夏に着物を着て出かけた事例」を集めたい人はきっといるはずと思って……。

Why

長く刀剣乱舞をプレイしている。この8年間、ログインしなかったのは(ほぼ)海外旅行に行っていた期間だけだ。*1アニメは一応全部見ていて、いわゆる2.5次元(ミュージカルや舞台)は、抵抗はないがあまりしっかりと見たことはない。*2

着物は10年ほど前から、一時は月に一度ほど着ていたが、そもそも上述のとおりお出かけ嫌いのためにさほど着る機会を重ねていない。そして、着てもいつも県内自家用車移動のみで遠出しての自装は経験なし。特にここ数年は時勢のせいであまり着ていなかったが、これからまたたくさん着たいと思っているところ。

着物に興味を持つと自然と伝統芸能も目に入りやすくなる。そこにとうらぶ歌舞伎である。真夏の東京に怯んだものの、とりあえずゲーム先行を申し込んだら当たったので腹を括った。

Who

こんな旅行に誘える友達などいないので一人旅である。どんなに仲が良い友達も恋人も、24時間一緒だと疲れてくるので一人の方が良いというのもある。

When

7月の三連休、金曜日に仕事を早退して東京へ向かい、土曜日に観劇して、日曜日に帰り、月曜日は一日中寝ているという予定を組んだ。開演は16時30分だが、三連休なのもあるので移動時間に余裕を見たいし、着付けも都度忘れるので時間がかかることを思うと当日移動は無理と判断した。

直前まで幾度となく天気予報を確認した。梅雨の最中、雨も怖いが暑さも怖い。もし土砂降りの予報なら着物はさすがにあきらめるのか、もし猛烈に暑くても着物を着るのか。結局、土曜日は曇りで最高気温32℃ほどの予報となったので、予定通りに土曜日は着物と決めた。

なお、私が普段過ごしているのは田舎の山の上である。日中は強い紫外線が降り注ぐが、朝晩は涼しい。三連休直前には最高気温が25℃を下回り、ますます東京の暑さへの恐怖を募らせた。

What

何を持って行ったらよいものか。お出かけ経験値が低いので、あれもこれもと荷物が多くなる。やっぱりいらないのでは、と出発前の車の中で抜いたものもあった。次の機会までにパッキング術を学びたい。

  • 着物(一式)、履き物
    初日は仕事から直行なのと、着物での長時間移動にはまだ不安があるので和服は中日のみ。となると履き物も持って行く必要があるので荷物はより増える。
    もちろん和洋ミックスでパンプスやサンダル、というのも良いのだけれど、私はあまり似合わないし、せっかくの歌舞伎、フル和装でいきたい。
    何を着たかは後述。
  • バッグ
    キャリー+通勤バッグに加え、着物のとき用のかごバッグを。通勤バッグが着物に合うか、着物に合うバッグをその日の通勤バッグにすればよかったのだけれど、ちょっとうまくやれなかったので。こうして荷物が増えるのである。
  • ハウスオブローゼ ミントリープ クール ボディシート
    東京の暑さが怖くて……たしかTwitterのフォロワーさんがいいと言っていた気がすると思って用意した。www.hor.jp

東京に着きました

到着は夜だが、昼のように暑いし、昼のように人が歩いている。
宿をとったのが新橋だから、なおさらそう感じたのかもしれない。

着物を着る

翌朝、曇り、予想最高気温32℃の東京。用意したのはこんな感じ。

  • 着物
    ポリエステルの薄物。リサイクルなので素性はわからないけれど、透け感は少な目でセオαかなと思っている。
    よくポリは暑いというけれど、ほかに持っている夏物はみな浴衣で、綿や綿麻に比べて汗を吸い込みにくいことが旅先では良さそうだと思ってこれに。正解だったと思う。
  • 麻の名古屋帯
    麻の八寸帯、ハリがあって薄くて、これもとても軽い。そして濡れても大丈夫。半幅帯の方が良いかとも考えたが、むしろこの帯が一番涼しかったのでこれにした。これもリサイクルなのだけれど、ちょっと垂れが長めの作り、かつ普段と逆に巻きたい柄をしているので事前に数回練習をしておいた。
    座席は最後列だったので多少背中にボリュームが出ても大丈夫そうだったけれど、帯枕のひもを省きたくて銀座結びに。知人に聞いた「背中にタオルを丸めて入れて、座っている間は抜いておき、立ったら戻して形を整える」という技を実践したものの、麻の帯で3時間も座るとさすがにぺちゃんこの形が記憶されてしまって、帰り道はちょっと寂しい形になっていた。
  • 草履
    菱屋カレンブロッソのカフェ草履。本当はコルクの下駄が軽くて足にもなじんでいるのだけれど、観劇なので草履に。多少の雨にも耐えられる。
  • 着物スリップ
    高島ちぢみの襟付き着物スリップ。長襦袢肌襦袢裾除けを兼ねて着るものを減らす作戦。腰のあたりにタックがあったりとちょっと癖がある形をしていて、私はひもを使うよりコーリンベルトを使った方が着やすい。着物の透け感があまりないからこれ一枚で着られたけれど、もっと透けるようなら難しいかも。
  • 下着
    フェリシモのフラットブラが着物界隈では和装時に使えると有名(たぶん)なのだけれど、以前売っていたそのブラキャミ版を着た。ブラだともう一枚キャミソールなり肌襦袢なりを着る必要が出るから、ここでもとにかく着るものを減らそうとしている。ただ、キャミソールだとあまり脇の汗はとってくれないので、ブラ+脇まで覆うもの(エアリズムとか)の方がいいという人もいそう。
  • 足袋、ひも類
    いつもどおりのものを。本当は麻の足袋とか用意しようかと考えたけれど、結局いつものストレッチ足袋で。それほど暑さは感じなかった。
  • 帯締め帯揚
    シルバーの細い帯締めと、絽の帯揚げ。夏物の帯揚げはこれ一枚しかないのでほかにもほしいな。帯締めは特に夏物ではないけれど、冷たい感じが夏と冬に似合うので。
  • 補正
    さぼりました。

普段と勝手の違うホテルの部屋での着付けは、ちょっとした不便もありつつも、全身鏡と洗面の鏡が向き合う配置が便利だったりして思ったよりはスムーズに進んだ。とりあえずエアコンをしっかり効かせて、ミントリープのボディシートで全身を拭いてから着付けをしたので、この時点での汗は最小限。ちょっと帯結びが小さくなってしまったり、襟合わせに反省はあったものの想定よりはずっと良くできたと思っている。

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このあと一日過ごして宿に帰ったら、着物スリップと下着、スリップに使った伊達締めは汗でぐっしょりだった。一晩干しても湿り気が残っているくらい。ポリの着物はさらさらだったので、浴衣にしなくてよかったと思った。綿だったら着物も汗を吸ってずっしりとしてそうだ。ただ、ポリのふわふわ感で着付けが崩れやすかった面もあったので良し悪しかもしれない。
東京は鏡やガラスが至る所にあって軽い手直しが都度できたので、ちょっと不安な着付けで歩くときには便利だなと思う。まあ疲れ切って宿のエレベーターの鏡を見たらもう、襟なんかぱかぱかでしたけれど。

暑かったかどうかというと、それはもちろん暑かったけれど、たぶん洋服でも同じだったので気分の上がる方を選んで良かったと思っている。とはいえ翌日の、かんかん照り最高気温36℃の日だったらちょっと、着物を着る勇気は出なかったかもしれない……。ほどほどに曇っていて、熱が籠ってはいるけれど上がりきらない気温だったことが功を奏した。

 

観光に出かけるまででこんなに長くなってしまったので、一旦区切って、行った場所の感想はまた②で。

*1:気づいたら審神者レベルが350になっていた。

*2:無料とか割引で配信されているときにざっと見たことがあるくらいで、最新までは追えていない。一度だけ、地元開催があったので試しにゲーム先行に申し込んだら当たり、現地で見たことがある。

上半期に買ったもの[2022年度]

非日常的な贅沢(外食とか旅行とか)は滅多にしないけれど、日常を快適にするための出費(自宅の増改築とか)は惜しまない家庭で育った。私も同じ方針で生きるのが向いていると思うのだが、どうにもお金を使うのが下手なようだ。うまいこと、締めるところは締め、必要なときには思い切り良く消費活動をしていきたいものである。

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さて、2022年度上半期は珍しく(私にしては)大きめな買い物をいくつかしたので、記録に残しておこうと思う。

 

  • ルンバさん(Roomba i3+)

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仕事が忙しくなったらルンバを買う、と昨年から再三言っていた。シンプルなタイプとダストボックスを自動で空にするタイプの両方をレンタルで試したうえで(2月と5月だったか)、母の強いおすすめにより後者を購入した。

正直、今のところはどっちでも良かったかなという感想。なんなら母にこちらを譲って、今実家で使っているものと交換しようとしたのだけれど、気を遣っていると思われて止められてしまった。毎回空にしてもそれほど手間ではなかったんじゃないかなとは思うけれど、とはいえ自動なのは楽で助かる。公式サイトから購入したら紙パックもたくさん付属していたので、しばらくもちそう。

ルンバさん、とアプリに名前を登録したので(レンタルした子たちはレンタルンバと登録していた)、お掃除が終わると「ルンバさんは清掃を正常に完了しました」等と通知が届くのがかわいい。

 

  • 浴衣3点セット

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着る予定がなかったものの、疲れていたので癒しを目的に買ってしまった。浴衣、兵児帯、下駄の3点セットで16,500円。兵児帯ロックミシンが一部外れているし、下駄もそこそこなのでそれらはおまけで、実質浴衣単品13,200円という感じかな。もう少し無地場があっても良かったけれど、比較的直線的な大きめの柄と、色合いは大満足。割と似合っていると思う。

おまけと言いつつ、突発的に着たくなってこのセットで一度着た。兵児帯を締めたのは子どものころ以来だったのだけれど、こんなにふわふわして決まらないものだったのだなあ。そのうち合う色の半幅帯がほしいな。

ふわふわしたので帯締めをしたくなり、今回は菜の花色で少しポップな感じを選んだけれど、シルバーでかっこよくもありだし、帯留めするのもよさそう。

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  • お財布(COACH タビー)

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もともと購入を検討していたお財布より少し値が張ったのだけれど、これまでのこと(小学生のときに買ってもらったお財布や、大学生のときに買って雨の日に車で轢いても使い続けたお財布、いずれも10年使っていた)を考えると同じだけは使うだろうから、高くないと判断して購入。カラーブロックとかバイカラーとか好きだし、青緑も紺も好きだ。

使ってみた感じでは、留め具がまだ少し固いのと小銭入れの深さにもたもたしがちだけれど、慣れれば問題なさそう。薄いのも良い。

 

  • その他細々したもの
    • リンナイ ウルトラハードクリーナー浴室用
      むしゃくしゃして、すっきりしたい!掃除だ!という気分のときに買った、普段買わないようなちょっと高くて強力な洗剤。ほどほどにきれいにしていたつもりだったけれど、浴室の床とか風呂イスの裏側とか明らかにすっきりした。噴きかけて少し置いて軽くこするとするっと落ちる。強力なので普段使い向きではない。
    • 銅製のお風呂排水口のゴミ受け
      掃除をサボっても赤くならない。助かるけれど、本体はすぐに酸化して真っ黒になるので、慣れるまで浴室に入るたびにびっくりする。酸化すること自体は悪いことではないらしい。
    • 丸正醸造 青こしょう醤油
      彼がハマっていて、私ももらったらおいしかったお醤油。冷奴にかけるとおいしい。

      www.47club.jp

    • クリニカ アドバンテージ ハブラシ
      お気に入りの歯ブラシ。4列コンパクトと、4列超コンパクトを使っている。長らく下の前歯の内側に着色汚れが付きがちだったのが、うまく磨けるようになった。持ち手の形が私に合っているらしい。

      clinica.lion.co.jp

  • これから欲しいもの

今は圧倒的に家が欲しい。思い返せば昔から、欲しいものを聞かれるたび思い付かなくて、「家」と答えることが多かった。転勤のある職に就いたので家を持つことを諦めていたけれど、他人を優先にするために自分が諦めることが馬鹿馬鹿しくなったので(持ち家があると異動時に配慮される)、地元で家を買ってもいいかなと思っている。

あとは、ベッドとテレビ台は早く買い替えたいのだけど、どんなものを買うかは引っ越しの有無にかかっている。家を買うなら早く腹をくくらなければ。

それから、地元産の紬。最近は好みの色合いが出てきていると知ったので、一枚は手に入れたい。着物か帯か……まずはリサーチが必要だ。

10年後にまたお財布の買い替えを考えるころ、何を買っているのか楽しみだ。

よりどり見取り図

ご無沙汰しております。

 

職場で来年度からの大きなお仕事が立ち上がり、どたばたしている。簡単に言うと50年ものの建物のリフォームなのだけれど、なにぶん物の絶対量が普通のオフィスとは違う職場なので、それはもう上へ下への大騒ぎである。
いくつものレイアウト計画が、立ち上げられては文句を言われ、練り上げられては指摘を受けて、賽の河原の小石のように際限のないループの最中だ。

専門知識などないにも関わらず、というかまだその前の段階だからなのだが、なぜか私がそれらの見取り図の大半を描いている。
「いつも申し訳ないと思っていて…」と後輩に言われたけれど、私は見取り図を見るのも描くのも好きだ。放っておいたらいつまでも弄っているので、むしろ程よいところで止めてほしいと言ったらほっとした顔をしていた。

 

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何の折に撮ったのか、すっかり忘れた職場の一角

 

外観から間取りを想像するのも楽しいし、見取り図から家を想像するのも楽しい。ミステリの扉に見取り図があるとうきうきするし、読んでいる間、ときどき目を閉じて中を歩く想像もする。たしか高校生のころ、家庭科の時間に「理想の家を作りましょう!」という授業があったが、それ以前もそれ以降も、何度も空想のおうちを建てている。そのときは、友人が家の真ん中にガラスの階段を作っているのに対して、私は階段下収納を組み込んだりして妙に綿密で堅実な家を作ったのだった。

見取り図が好きだからって方向感覚はめちゃくちゃなので、階段を上がると自分がどちらを向いているのかわからなくなるし、この真上は何の部屋、なんていうことも全然わからない。むしろ、見取り図のそういう、私に見えないものを見せてくれるところも好きなのかもしれない。

 

ちょうど妹が家を建てんとしている。当初は中古物件という話もあったので私も物件サイトを眺めたりしていて、案の定脱線して自宅付近の中古住宅など見ていたのだが、かなり理想に近い小ぶりな平家を見つけてしまった。過去の記事で書いた老後の暮らしに良さそうな、4K——4DKか、3LDK扱いかもしれない——の間取り。この洋間を寝室に、この四畳半は着物部屋に、と夢が膨らむような、いかにもちょうど良さそうな家なのだ。転勤さえなければと思うけれど、15年くらいしたら終の住処としてこんな家を買ってもよいななんて思ったりしている。

夏のきものはときめき

夏のきものには尽きせぬ憧れがある。

なんて9月も後半のブログの書き出しにはふさわしくないけれど、このタイトルを下書きに入れてもうひと月半も経つのである。この夏はワクチンを打って熱を出したり接種会場のスタッフをしたりしているうちに手をすり抜けてしまった。

夏のきものには他にない魅力がある。そんな話をしたい。

 

和装が「難しそう」と言われる理由は、まず着付け、そこを越えても待ち受ける難所は格と季節ではないかと思う。着付けはまたの機会に譲って、格に関してはかしこまった場以外では気にしなくていい、というのが昨今の流れだ。訪問着と紬が連れ立って歩いていても、特に何も言われない。

季節に関しても同様、かしこまった場でなければ体感に合わせて、とはよく言われる。とはいえ、春、秋、冬は色柄はさておき同じ着物も着られるけれど、夏、それも真夏はそうもいかない。長着も帯も専用の素材がある。しゃりしゃりした麻や天女の羽衣のような絹、短い期間の楽しみのために生まれたものはなんとも魅力的だ。

特に古い時代の、いわゆるアンティーク着物は贅をこらしたため息のでるようなものがたくさんある。その魅力はこの本を見たらわかってもらえると思うので、ご近所の図書館ででも見つけたら手に取ってみてほしい。

www.j-n.co.jp

ちなみにシリーズに四季が揃っていてどれも眼福だが、ほかの3冊は品切れ重版未定。私自身も、4冊とも冊子でそろっている状態で買いたいと思っているうちにどんどん手に入りづらくなって……電子ブックで買うか悩んでいる。

 

夏のきものの大きな魅力は透けることだ。現代の私たちには、重ねて"対策"しなくてはならないちょっと厄介なものでもあるが(最近はシアー素材のはやりもあるけれど)、きものにおいてはそれを逆手にとって重ねた景色を楽しむ文化がある。

これは何も古いものに限った話ではなくて、たとえばこんなものもある。

mgos.jp

波の柄の透ける生地の下に、熱帯魚が描かれたもう一枚の生地が重ねられたきもの。一見シンプルに見えて、その下にカラフルなお魚が泳いでいるなんて心躍らずにいられない。

着姿にストーリー性を持たせるのは、きものの大きな楽しみのひとつだと思う。長着、帯、帯揚げ、帯締め半襟帯留め、足袋、履き物、と要素がほぼ決まっているなかで組み合わせ、一つの物語を作る。夏きものはそこに「重ねて透かす」という要素が加わり、より深まるところが私の好みなのかもしれない。

 

とはいえ、現代の夏にきもの姿は暑いのも事実。よく「風が通るから案外涼しい」なんていうけれど、お腹まわりに何枚重ねていることか。冷房が効いているから案外ちょうどいい、なんて言うつもりもない。洗えないような繊細な絹のきものを何枚も買えるような懐もなく、重ねる楽しみは主に観賞用においておいて、自身の夏支度は結局浴衣、きもの風に着る浴衣、そして今年初めて買った化繊のきものしかない。そのうえ今年の夏は一度しか着ていないけれど……。

 

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これは今年の組み合わせではないけれど。下駄と浴衣の柄の赤を合わせたかったもの。

和装するときの私は頭を使っている。このきものは裏地が赤だから帯締めにひと筋赤みを入れたいとか、千鳥とうさぎを組み合わせることで波を連想させようとか、考えることが楽しい。きっと洋服をそうやって楽しんでいる人も多いのだろうけれど、私にとっては洋服は「日常」過ぎていちいち考えたりしないのだ。そう思うと、私にはきものは少し非日常で良いのかもしれない。

 

コーヒーのはなし

割と早いうちから父親の真似をしてブラックコーヒーを飲んでいたけれど、豆の味について考え始めたのはつい最近だ。父はドリップしていたけれど豆を挽くことまではしていなかってし、自分はインスタントですませていた。

妹の内祝いのお返しがコーヒーのフレンチプレスの器具だったので粉を買おうとし、はたと豆の好みのことを考えたことがないと気づいた。

www.bodum.comフレンチプレスっていうのはこれです。ネットをぎゅっと押し込んで粉を漉す、という感じ。

 

食べ物に対しては特に、3歩で味を忘れがちなので(一度で嫌いだと思ったらそのことを決して忘れないが)同時に飲み比べない限り差がわからない。でもそんなにいくつも用意するのは…と思っていてこんなサービスを見つけた。

white-coffee.jp

 

3種類×2回の飲み比べの結果、私の好みは「焙煎時間が中間の豆を使った、酸味がよりやわらかなブレンドのコーヒー」だそうだ。

ただ、どうも酸味は少し控えめくらいが好きなのだけれど、焙煎時間の短いのはごくごく飲めるし長いのはじっくり飲むのに良いしで、場面によるなという感じ。こういうことも初めて知ったので楽しかった。

 

ということをやったのが昨年の10月で、以来楽しくコーヒーライフを送っていたのだが、夏になり水出しコーヒーを始めた。夜のうちに器具に粉と水を入れて、朝プレスする。これだとお湯で淹れたときと味が少し違うのだ。一番違いを感じたのが、アイスコーヒー用のブレンド。もともと焙煎時間が短め(たぶん)のすっきりした味なのだけど、水出しで入れるととがった感じが減る。

また涼しくなったら重めの味に挑戦しようかな、と思いつつ今日もごくごくアイスコーヒーを飲んだ。フレンチプレスだけでなくドリップだとか、豆を挽いてみたりだとか、チャレンジしてみたいような気持ちと深そうな沼にしり込みする気持ちと両方を抱えている。